カワイーヌ・ティトの北欧生活

北欧で暮らすハバニーズ、ティトと飼い主Matte&Husseの日常

閉店間際の銭湯

前回の記事で日本の入浴剤について少し触れました。

kawaiiinu-tito.hatenablog.com

Husseが楽しんでいる様子を見て自分も日本を感じたくなり、後日温泉風の入浴剤を入れた湯船にゆっくり浸かり、リラックスした時間を過ごしました。

 

気持ちの良い香りに包まれながら、はるか遠い日本を想う...。

 

そういえば昔、近所の銭湯では5月5日は子どもが無料で入れたな。小学生の頃は友達と一緒に毎年行ってたなー、とか。

数年前に閉館した二子玉の瀬田温泉では、露天風呂(水着着用)に入りながらお酒飲めたなー、パリピみたいに。でも私ウーロン茶飲んでたなー、陰キャだから。とか。

朝方の荻窪のゆ〜とぴあ(なごみの湯)では、水商売風のお姉さん同士がカーラー投げ合ってケンカしてたっけー、などなど。

お風呂と関係ない事も思い出しつつ、ふとある出来事が脳裏に蘇ってきました。

 

お題「銭湯の思い出・・・」

 

今から15年位前、当時高円寺に住んでいた親戚宅に泊まりに行った時のこと。

あの辺りはまだ銭湯がいくつか残っていて、なかなかレトロな雰囲気で良いというので行く事にしました。たしか営業時間は午前0時か1時までで、私達が行ったのは閉店30分前でした。ぎりぎりだけど30分もあればいいでしょ、と思ったのが悪かった...。

親戚は男湯に、私は一人で女湯に。

脱衣所には既に湯上がりで涼んでいる人がそこかしこにおり、わりと混雑していましたが、中に入ると私を含めまだ4人いました。

体も頭も洗って、さぁゆっくり浸かるぞーとお湯にざぶん。

気持ちいいーと満喫していると、2人が脱衣所へ出て行きました。残ったのは私と、同じくお湯に浸かっていた年配の方一人だけ。残り時間はあと15分。

 

年配の方がその後すぐにお湯から上がり、シャワーを浴びようとしたその時。

私が入浴している場所の隣りにある従業員用のドアがガチャリと開き、モップを持ったおじさんがズボンの裾をまくり上げながら入ってきました。

 

え...?

っていうか、え...??

 

シャワーを浴びているおばちゃんは、挨拶こそしないものの一切動じずそのまま脱衣所へと消えて行きました。おじさんは当然私の存在には気付いていましたが、特に目をやるでもなく、さっさと掃除するべぇとでも言うように黙々と桶を片付け、床を磨き始めました。おじちゃん、まだ閉店時間じゃないぜ!

 

せっかくリラックスしていたのに、急に体全体がこわばり、どうやって出るかで頭がいっぱいに。おじさんが後ろ向いた瞬間にシャンプーとかの荷物を取り、おじさんの死角にあるシャワーでサッと体を流して、あのルートで脱衣所へ...と考えた後、意を決してお湯から出る!

あ、そういえば前隠す?後ろ隠す?え?顔隠す?え?え?え?

とテンパりながらも、足を滑らせる事なく脱衣所への逃亡に成功。とはいえ、脱衣所に続く引き戸はガラスなので、おじちゃんからは丸見え。先に出た年配の方も、それ以外で残っている方も、特に番台さんにクレームを入れるわけではなく、優雅に身支度を整えていました。私は違った意味でかいた汗もそのままに、そそくさと服を来て外に出ました。

 

もう二度とごめんですが、記憶に残る銭湯の思い出になりました。

あのおじちゃん、元気かな...。女性の裸体なんてほんとどうでもよかったんだろうな...。

 

スウェーデンにも温泉が湧いたりしないかなー、なんて無理な夢を膨らませたり、なつかしい銭湯の思い出に浸ったりしたバスタイムでした。

 

ここはただの水。ぼくが温泉入れる日は来る?