久々の一人反省会
雨続きの北スウェーデン。明日から2〜3日は太陽が顔を出すようですが、週末からはまたしばらくすっきりしないお天気が続くようです。
最高気温は10〜13℃。木々は紅葉していてとっても綺麗な景色です。
以前はこれから始まる冬をおもって気分が塞いでしまい、秋を楽しむ余裕すらなかったのですが、ティトと散歩をすることで景色の移り変わりを楽しめるようになってきました。ティトにはどれだけ救われていることか...。
そんなティトに、私は先日かわいそうな事をしてしまいました。
3週間に一度、Husseは幼馴染みの家でゲームをして遊びます。私はもちろんついていかず自宅でティトと過ごすわけですが、先日はそのタイミングで友人を我が家に招き、お喋りをしたり食事をして楽しく過ごすことにしました。ティトはその友人が大好きで、会ったらいつも大喜び。名前もしっかり覚えているので、その日も私が「○○が来るよ!」と言うや否や、しっぽを振って喜んでいました。
なのに。
結論から申し上げますと、私が友人とのお喋りに熱中してしまい、ティトのご飯をあげ忘れてしまいました。
ティトはお腹がちょっと弱いので、量を少なめに一日3回食事をしています。私が忘れたのは2回目、16時の食事。
思い返せばその時間、ティトはフードが入っている棚のドアを前脚でガリガリ引っ掻いたり、私の足を鼻でツンツンしてきていました。食事をすっかり忘れている私は、フードと同じ棚に仕舞ってあるティトのおもちゃを取り出して遊びに誘ったり、遊びに集中しないティトにちょっと休んでてねーなどと言う始末。その後ティトは諦め、私達の邪魔もせず休んでいましたとさ...。あぁ本当にごめんね...。
はっ!ティトのごはん!
と気付いたのは18時前。ティトごめんねー!と連呼し、慌ててフードを用意すると、ティトはむしゃむしゃ食べていました。だよね、お腹減っていたよね...。
その夜。私はベッドの中で反省しました。
ティトが一歳を迎える頃まで、私は毎日何かしらティトに対して反省する事がありました。本当にティトの気持ちがわかっているだろうか、今日のブラッシングはこうしてあげた方がよかったのでは、ティトのあの行動はどういう意味だったのだろう、などなど。そういった事を、毎日お布団の中でモヤモヤ考えては反省していました。
しかし、ティトと過ごす時間が長くなってくると、わかる事がたくさん増えてきて、反省する機会は自然と減っていきました。
で、このありさま。
ごはんの時間だよ!食べたいよ!と一生懸命伝えていたティトの姿を思い出し、お布団にもぐりながらちょっと涙すら出てきました。あの健気な姿...。なのに全く気付かなかった自分...。泣きたいのはティトだよね、本当にごめんね、うぅ...。
いや、猛省。
アラームを設定し、もう忘れる事がないようにしました。
夜、帰宅したHusseに私のヘマを話したら、まぁ人間だからそういうこともあるよね、と言われました。ティトもきっとわかっているよ、と。
これがもしHusseのヘマだったら...。ははは、自分で想像するのも恐ろしい!
お喋りしてたら忘れちゃうじゃん。アラームかけなかったの!?とか言っちゃいそう。わたし?えぇ、忘れた者ですが。アラーム?なにそれ。
......。
.........。
なんか私...色々やり直そ。って思った夜でした。
イヌだって選挙に参加したい!
どうも、こんにちは。ぼくです。ティトだよ。
今日はイヌのぼくからちょっと言いたい事があるのでお邪魔するよ。
ぼくの家族、フッセはスウェーデン人で、マッテは日本人。
フッセは金髪なんだねって?ちがうちがう。バリカンで切ったぼくの毛を頭に乗せているだけ。
マッテは真後ろ向いたビックリ人間なのかって?ちがうちがう。顔なしなだけ。
2人とも見た目も中身もちょっとアレだけど、いつもぼくの事を一番に考えてくれる家族だよ。
日曜日、スウェーデンでは4年に一度の総選挙があったんだって。
フッセはもちろん全ての投票権があるんだけど、マッテは移民だから、いわゆる国政選挙の投票権はないの。でも、地方選挙の投票資格はあるらしい。
政治って難しいし、マニフェストっていうの?党によって色々あるらしいけど、実際よくわからないよね。
よくわからないから選挙にも行かない、なんて良くないよね。実際マッテは政治に疎くって、各党のマニフェストとか読んでる最中にパンクしちゃうんだって。で、投票めんどくさ!ってなるらしい。
だけどスウェーデンでは、そんなマッテみたいなおバカさんでも選挙をわかりやすく、興味が持てるようにしてくれている。
valkompass(ヴァルコンパス)と呼ばれるもので、簡単に言うと党診断チャートだね。
まず社会問題となっている質問がでてくる。それに対する答えもいくつかあって、自分の考えに近い答えをチェックする。もしくは、大賛成-賛成-反対-大反対のどれかを選んだり。たとえば、街の中心地には車侵入禁止ゾーンを作るべき?とか。
一般的な党診断チャートに出てくる質問は、現在スウェーデンで問題になっている代表的なものだけど、もしぼくが環境を凄く憂慮していたら、環境問題に特化した党診断チャートもあるんだって。それをすれば、各党が環境についてどんな政策を立てているのかがわかり、おまけに自分の考えがどの党と近いのかわかるんだって。いいよね、このシステム。
ぼくたち動物に特化した診断チャートもあるよ。例えばこんなの。
《質問》田舎に住んでいる場合、ペットに何かあっても近くに病院がない。例え救急だろうと、そこまで行く車内で動物はただ苦しんでいるしかできない。どうするべき?
《選択肢の例》獣医不足による問題なので、国は獣医療教育に力を入れるべき。/ 民間の獣医を認定し、彼らを適切な場所に駐在させる。/ 外国人労働者として獣医師を受け入れ、医療記録をスウェーデン語縛りにせず、働きやすい環境を作る(獣医の充実)。/ などなど。
ぼくはもちろんイヌだから、選挙権はない。家族であるマッテとフッセにお願いするしかない。2人は診断チャートをやっていた。動物に関する診断結果と、自分達の生活に関する診断結果で、違う党が選ばれるかもしれないけれど、たぶんぼくらにとってベストな党を選んでくれたと思う。
もしこういうシステムが日本にもたくさんあったら、人々はもっと熱心に選挙に関わると思うし、投票率もあがるんじゃないかな。そんな単純なことじゃない??
なにはともあれ、投票はおわった。
スウェーデンの、全世界の、みんなの地球の未来が良くなるといいね。
トナカイの皮と錫で作る、サーメ人のアクセサリー
2021年の夏、私達は車で小旅行をしました。ここよりも更に北へ。
宿に着く前に色々と寄り道をしたのですが、その一つがトナカイ製品を扱っているKEROというお店でした。そこでバッグとバレッタのキットを記念に購入したのですが、バレッタはその後作る事なく一年が経過しました。重いなー腰!
せっかく買ったのに、これじゃいかんぞ!
と、自分に喝を入れようやく制作にとりかかったのですが、あら楽しい。あっという間に出来上がってしまいました。
錫で出来たコードを編み、それをトナカイの皮に縫い付け、バレッタに包んで縫い止めたら完成。楽しかったー!
錫のコードと、トナカイの皮を使ったアクセサリーや雑貨は、サーメ人(スカンジナビア半島北部で暮らす先住民族)の伝統的な手工芸品です。トナカイの皮はとっても柔らかくて、アクセサリーに限らず、靴やバッグなどもとても肌に馴染みます。
さて、バレッタが出来上がってから数週間後。
友人からサーミアクセサリーの材料をたくさん譲ってもらいました。
タイミング良く、その友人の誕生日が間近に控えていました。頂いた材料でブレスレットを作ったら喜んでくれるかしら...?と思い、早速挑戦してみました。重い腰をおろしちゃう前に!
マリンルックが似合う彼女には、きっと青がピッタリ!
イメージ通りの仕上がりで嬉しい反面、初めてでコツがイマイチ掴めずに手こずった箇所も。でも作ってみて初めてわかる事が沢山あり、非常に勉強になりました。
友人はとても喜んでくれました。私も作っていて楽しかったですし、プレゼント兼材料のお礼も出来てめでたしめでたし。
....じゃないよ!
ぼくにはないの!?
ってティト?ティトも欲しいの?
試しに私のブレスレットつけてみる?
Fikaしたい!
スウェーデンで暮らしていると、Ska vi fika? (スカ ヴィ フィーカ?)という言葉をよく耳にします。簡単に言うと"お茶しよ?”という意味ですが、fika(フィーカ)の正確な意味は、”お茶をしながらお喋りをする”です。
職場でもフィーカの時間はあります。いわゆるコーヒーブレイクですが、雇用主はその時間を設ける義務があり、労働者にはフィーカをする権利があります。ただ一人でコーヒーを飲んで休憩するのではなく、同僚と会して何気ない会話をします。その時間があったら仕事したい!と思う方もいらっしゃるでしょうが、フィーカをした方が生産性が上がる調査結果が出ており、重要性は立証済み。
私はスウェーデンで企業に勤めた事がありませんが、もしそんな機会があったらフィーカには石ころ帽子を被って参加したいです。つまり一人でぼーっとしたい。生産性?しーらない。
ってそんなことはどうでもよく。
日本で暮らしている方のインスタやYouTubeを見ると、犬と一緒にカフェに行ったりショッピングを楽しんでいる姿をよく目にします。私が住んでいる場所は田舎ですが、中心地に行けばカフェはいくつも、いや、いくつかあります。ですが、商業施設などは犬同伴禁止(カートやキャリーバックに入っていても)ですし、カフェも店内NGばかりです。
ティトも一緒にフィーカしたい...。
探してみたところ、街と郊外(ウチの近所)に1店舗ずつ、店内犬同伴OKのカフェがあると知りました。
まずは近所のカフェ。スウェーデンに移住前は、祖国であるシンガポールのフランス大使館で経験を積んだコックさん兼オーナーの個人経営カフェです。そこにティトと行く日本人の私。ん〜情報過多。
こちらはフィーカを楽しむだけではなく、きちんとした食事もできます。お料理がとっても美味しい!更に犬同伴OKなんて嬉しい限り!
オーナーは犬が大好きで、ティトの事を毎度可愛がってくれます。しかも味付け前の茹でた鶏肉も、ティトの為に無料で用意してくれます。ティトもそれを知っているので、お店に入るといつも大興奮。私やHusseがfikaを楽しむだけでなく、ティトも喜ばせて下さるカフェ。最高です...。
鶏肉をペロっと平らげた後は、私やHusseがコーヒーを飲み終わるまで大人しく横になって休んでくれています。因みにティトはコーヒーの香りが大好き。
昔、Husse家族とソファーでくつろぎながらフィーカをしているとき、ちょっと目を離した隙にカフェボードに置いてあった私のコーヒーを、ティトはぺろぺろ舐めて飲んでいました。コーヒーは犬の体によくありません。自己嫌悪と焦りと心配で、しばらく気が気ではありませんでしたが、幸いティトはケロっとしており、その後も体調に変化がなくホッとした、という事件がありました。
私の心配を他所に、ティトはその後もコーヒーを飲みたそうにしますが、ダメ、絶対。味を覚えさせてしまって申し訳ない...。
街のカフェはたくさんの人で賑わっているので、ティトはのんびり出来ないかも...と初めて行く時は不安に思いました。が、ティトは特に興奮する事もなくのんびり休憩してくれました。それからというもの、度々訪れては私とHusseとティト、水入らずでのんびりフィーカを楽しんでいます。
スウェーデンには犬アレルギーの人がたくさん居るようです。その為、犬同伴の店舗が少ないんだとか。仕方がありませんね。
今後更に犬OKカフェが増える事を願いつつ、今ある2店舗を行ったり来たり楽しみたいと思います。