カワイーヌ・ティトの北欧生活

北欧で暮らすハバニーズ、ティトと飼い主Matte&Husseの日常

誕生日に望む事

先日、私は誕生日を迎えました。

スウェーデンでは誕生日を迎える本人が、友人や家族を招待してパーティーを開催します。主に自宅で。

こちらで迎えた初めての誕生日は、移住してまだ一ヵ月も経っていませんでした。当時は生活に慣れるのに必死で、僕の家族が祝ってくれるって!とHusseに言われても、断る選択肢が頭にありませんでした。本来おつまみやら飲み物、お菓子やケーキは主催者が用意します。でも風習がわからない私に変わって、それは家族が用意してくれました。

パーティーの詳細は誰もわからず。何人来るのかわからない...。なまえを聞いてもわからない...。と、とりあえず掃除&食器などの準備をして、人がくつろげるように家具を移動して当日を迎えました。

そもそも私はパーティーが好きではありません。慣れ親しんだ人ならまだしも、Husseの家族とはいえまだ全然慣れていない人々とのお喋りは、気が重いったらありゃしない...。大家族だししかもスウェーデン語の嵐。当日、私は食器を洗ったり食べ物の準備をしたり、なるべく人と話さなくていいように動いていましたが、主役はやらなくていいのよ!とごもっともな事を言われて強制着席。石ころ帽子、かぶりたいぜ...。

お気持ちはとてもありがたいのですが、実際お気持ちだけで結構です。

日が経つに連れ、私の陰キャ気質を悟った家族達。パーティーはその後開催される事はなかったとさ....。

で?今は?

どう過ごすかは、主役である本人の希望を優先したらいいと思います(主役は数十年前に頑張った母かもしれませんが)。私の場合は、何もストレスを感じる事なく、ただただ自由に、自分の好きなように過ごす、というもの。一緒に居たい人、やりたい事、食べたいもの、全てを私の自由に!!相変わらずコロナ禍の今年。誕生日の過ごし方はこんな感じになりました。

スウェーデンでは朝、コソコソケーキを用意して、伝統のお誕生日ソングを歌いながら主役の寝室に侵入し、サプライズをかまします。小さい子どもは喜びますが、我々はもちろんなし。朝からケーキは老体にはキツいですし、何よりも穏やかに目覚めたい...。

というわけで、同じベッドで寝ていたティトの存在と温もりを感じながら目覚めました。犬アレルギーなど無視です。くしゃみ?鼻づまり?ワシは知らんぞ。

Matte、おめでとぐぅ...

 

あぁ幸せ...。なんて平和で安らかな時間なのでしょう...。

ティトをじーーーーっと愛でたらHusseを起こし、ティトと散歩へ行ってもらいます。そして私は二度寝。ぬくぬく。

日中

Husse両親から、誕生日プレゼントを渡したいから会いましょう、と連絡が。みんなでティトと散歩しながら、外でしばらくぶりの会話を楽しみました。

以前はモノをプレゼントしてくれていたHusse両親ですが、私は自分の好きな物しか持ちたくないし、そもそもいらないとやんわり伝えたところ、消えてなくなるものに変えてくれました。お花や食べ物など。プレゼントをわざわざくれることもそうですが、そういった気持ちを尊重してくれることはとてもありがたく感じます。

今回頂いたのはこちら。

 

Husse父が焼いてくれたパンと、母が焼いてくれたシナモンパン。ぺろっと平らげたのは言うまでもなく。そしてお菓子とカード。添えられたカードには、○○才の誕生日おめでとうMatte!と書かれていましたが、年齢が一歳若くなっていました。訂正せずそのままです。来年、私は何歳になるのかちょっと楽しみにしています。

普段、夕食はHusseとどこかのレストランで食事をしますが、昨年に引き続き今年もテイクアウト。家でのんびりしました。ティトも一緒にお祝いしてもらいたいので、ティト用ディナーには鶏肉を茹でて、私達はお寿司屋さんでこちらを購入。

お、お寿司屋さん...?

 

スウェーデンのスシレストランはこんな感じのメニューになります。

左下はサーモンスシ。北欧なだけあってとっても新鮮で美味しい!右下はポケボウル。マグロやアボカド(こちらもアレルギーですが無視)にカニカマフライなど、色々入ってボリューミー。左上はパリパリ餃子で右上が春雨春巻き。Husseと半分ずつ食べましたが、ほんの少しでも日本を感じる事ができて大満足でした。

 

実は誕生日を過ぎた頃から、夏時間に切り替わったり気候の変化についていけなかったり、ホルモンバランスや自律神経の乱れで、体も気分もちょっと落ち込んでいました。

そして日本に帰りたい気持ちがもりもり盛り上がってしまい、更にどんよりしてしまいました。実際は正しい手順を踏めば帰国する事はできます。が、帰国まで様々な人の労力や手続きが必要で、その後の家族への負担や自分の気力を思うと、今ではないと感じます。冷静に考えればわかる事ですが、思考と感情が上手く折り合わず、その狭間で勝手にゆらゆらしていました。先日友人が日本から送ってくれた品々や、誕生日おめでとうというメッセージにはどれだけ救われた事かしれません。よし頑張るぞという気持ちと、郷愁の念やら自分自身の問題等、相反する想いに矛盾を感じつつなんだか悲しくなり...。

自分の中にある不安や孤独感。奴らは普段はスタンド席で適当に過ごしているくせに、弱っている時はアリーナ最前列にしゃしゃり出てきます。そんなに盛り上げなくたっていいのに。

楽観的過ぎるのは不安でしかありませんが、悲観的過ぎるのは楽しくありません。私はどちらかというと悲観的になりやすいので、楽しい事も楽しめない事が多々あります。Husseはその真逆。それで衝突する事もありますが、もっと彼の楽しみ方を受け入れて残りの人生を過ごしていけたら、それはきっと良い時間となるでしょう。

Husseもティトも、みんな健康で今を一緒に楽しむ。本当はできるはずなのに、いかに自分が貪欲か、思い知らされる幕開けとなりました。来年の誕生日には、多くを望まなくても楽しめる人間になれているでしょうか。完璧ではなくとも、そこそこ達成出来たらよしとしよう。

誕生日に望む事、でした。