カワイーヌ・ティトの北欧生活

北欧で暮らすハバニーズ、ティトと飼い主Matte&Husseの日常

静かに駄々をこねる

 スーパーなどに買い物に出掛けた時、床に転がってジタバタしている駄々っ子を見た事があります。何か買って欲しいものがあるのか、自分の思い通りにならず癇癪を起こしているのか。お外でわーわー駄々をこねられるのは、親御さんとしてはヒヤヒヤすることでしょう。かと言って、自分の気持ちを押さえ込んで我慢ばかりするのもよくありません。子どもは子どもらしく、自分の気持ちや欲求を素直に外に出せるべきです。その中では当然分別を学ぶ必要がでてきますが、子どもが子どもらしく振る舞える環境作りは、保護者や社会の責任に拠るところが大きいと思います。

では犬は?

犬は喋れませんが、表情や鳴き声、尻尾の振り方などで、一生懸命人間に自分の気持ちを伝えようとしています。

私達もティトを迎えたばかりの頃は、飼い主初心者でわからない事が多く、ネットで色々と調べたりしていました。助けられた事もありましたが、情報が多過ぎるのと、脅すような優しくない記事に疲れ、健康に関する事以外は見るのをやめました。

それよりも毎日遊んで散歩に行き、目の前にいるティトの事をよく観察することが大事だと気付きました。見当違いのこともあるかもしれませんが、今ではだいたいティトの考えが読めるようになってきたと思います。

ティトが駄々をこねるとき。ジッと私達の顔をみつめてその場に座り込みます。ねぇちょっと、あれだよ。わかるでしょ?と語りかけてくるような表情。必要以上におやつを要求するなど、ダメなものはダメと突っぱねますが、それ以外ではなるべくティトの要求に応えてあげられるようにしています。

ぼくは動かないよ

毎回ではありませんが、半年くらい前から外へ行く時、ティトは階段の上で座り込むようになりました。

ぼくは今駄々をこねているよ。

 

以前は散歩に行くとなると、ぴゅーんと一目散に階段を駆け下りていました。今ではこのように私が階段を下りてもジッと座って動かないことが度々あります。

おやつ?と思ってあげてみるとパクッと食べるのですが、相変わらず動きません。そこで、顔廻りや首筋をわちゃわちゃ撫でてみました。すると顔を上に向けて気持ち良さそうにして、満足したのかさっさと階段を下りていきました。かわいい...。

帰りも同じです。階段の下で止り、私を見上げてきます。

そう。あれだよあれ。
 
それ!気持ちいいなー。

 

かわいいねー、はい頑張って上ってねー、と話しかけながらまたなでなでしてみると、ぴゅーんと階段を駆け上っていきます。

すたたたた!

 

素早さがブレ具合にでています。

ティト、味をしめる

撫でられるのが習慣化すると、今度はキスを要求するようになりました。正面からガシガシ撫でた後、プッスプッス(キスキス)と言いながらキスをすると、満足して階段を下ります。まぁ、これも可愛いですし私も幸せになるのでお易い御用。

しかし帰りは別。散歩で色々な場所をくんくんしてきたので、ティトのお口周りは泥や草で汚れています。ほら!プッスしてよ!とみつめられてもさすがに無理。その要求を通したら次はどうなるのか...。

断られたティト。プッスが無理なの?じゃあ抱っこしてよ!と言わんばかりに固まり、本格的に駄々をこねはじめました。こねこね。

こねても無駄だ。自分で昇りなさい。と3段目くらいにティトを放置し、私が先に昇ると、諦めて後をついてきます。そして何事もなかったように私を追い越し、早く家の鍵開けてよ。とドアの前で振り返って私を見ます。現金なティト。でもかわいいからOKです。

多くのハバニーズのお世話をしてきた私達のブリーダーは、オスはわんぱくでやんちゃだけど、見ていて楽しいとおっしゃっていました。メスは大人しくてお世話をしやすいから年配の方に向いているそうです。そうは言っても個体差があると思いますが、ティトはブリーダーが言うところの”オス”らしく、小学生の男子のように見ていて楽しく笑わせてくれます。何をしてもかわいいです。

すやすや

 

犬は吠えるしマーキングもします。散歩も必要ですしお金もかかります。でもそれが犬です。教えていけばダメな事もわかりますし、人間に喜んで欲しくて頑張ったりもします。現代の犬はもう野生ではないので、人間と共に生きるしかありません。子どもが子どもらしくいられるのと同様に、犬も犬らしくいられるよう、人間やその社会によってきちんと受け入れられる世の中になって欲しいと願います。