ある日の散歩、思い出の地。
私が移住してから通った言語学校は、徒歩で35分の距離にありました。
まだ雪が残る頃に通い始めたのですが、周りは真っ白でなんだか似たような眺めだなぁと思っていました。
しかし春になって雪が解け、緑豊かになって来た頃、とても気持ちがいい通学コースだと気付きました。先日、そんな道をティトと一緒に散歩してきました。
まさか数年後、こうして犬とここをお散歩出来るとは...。人生何が起きるかわかりません。
いいカモ
写真の道をしばらく進むと、いいカモがいます。何をカモれそうかというと、本当の鴨です。
とか言って、ティトが鴨にカモられるかもね!
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ここに鴨がいる事を知っているHusseは、家からパンを持って来ていました。翌朝私が食べようと思っていたパンを。貴様がカモられてしまえ、と強く心で叫びました。もしかしたら声に出ていたかもしれません。
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しつこいかもなので次に行きます。
思い出の地
鴨池の少し手前に、最高に気持ちがいい場所があります。
池に面した出っ張り。kawaiiinu-titoと書いてある場所に座り、ぼーっとするととても気分がリフレッシュします。
移住一年目の夏、スウェーデンに住んでる自分を客観視するのは少々困難でした。つまり、普段なら絶対にしないような事をイキってやっていました。たとえばこの思い出の地で。
学校が休みの日、よく一人で近所をうろうろしていました。そして何を思ったか、動きやすい服装に着替え、ヨガマットを担ぎ、日本から持って来ていた小説をカバンに入れ、写真の場所へ出向きました。さっそくマットを広げて寝転び、ストレッチをして昼寝。ヨガは当然しません、いや出来ませんが、スウェーデンという外国の自然の中でする昼寝を思いきり堪能していました。本当に寝落ちして、日陰になって寒くて起きた覚えがありますが、わざわざ上着を羽織って本を読み、あー幸せーなどと思っていました。
満足して帰宅すると、Husseも仕事から帰宅。すると1本の電話がHusseにかかってきました。知らない女性から。内容は次の通りです。
- 今、我々は外でヨガをしている。
- そこでアジアっぽい文字が書いてあるカードを拾った。
- 名前を検索したらあなたの住所が出てきたから電話した。
スウェーデンでは名前から住所や電話番号を検索する事が出来ます。お金を払えば保護する事もできますが、当時は大公開していました。
結論から言うと、私がイキっていた場所で、その後本当にヨガをしていた女性が、イキっている最中に落とした私の日本のクレジットカードを拾い、一緒に住んでいるHusseに電話で知らせてくれた、です。そして我々はまだここにいるから、イキった奴とカード取りにおいで、と通達してくれました。大急ぎで行ったのは言うまでもなく。感謝してもしきれず...。
あー思い出したくないなー
と思いながら、ティトとHusseと通り過ぎました。思い出の地というものは、必ずしも思い出したい記憶があるわけではありません。
そういえばイキってたっぽいアジア人がカード落として取りに来たよねーって、ヨガ女子側の記憶が消せないのがもどかしいところです。
田舎の街なので、その後彼女とは何度かすれ違っているかもしれません。私がスウェーデン人の顔をなかなか見分けられないように、彼女もアジア人の顔がみんな同じように見えてるよう、願います。