カワイーヌ・ティトの北欧生活

北欧で暮らすハバニーズ、ティトと飼い主Matte&Husseの日常

サプライズは誰のため?

サプライズ、お好きでしょうか?

結論から言うと、私はちょっと苦手です。今日はティトの出番はありませんが、どうぞお楽しみ頂けたら幸いです。

喜ぶポイント

Husseはサプライズが好きです。私が日本に住んでいた時は遠距離だったのでそんな機会もなかったのですが、一緒に住み始めてから幾度かサプライズをお見舞いされています。しかし、私は彼が期待する反応を示す事が出来ず、何度もケンカをしています。

企画者側の気持ちもなんとなくわかります。例えば何かプレゼントを買って驚かそうとする時。あの人は何が好きかな、喜んでくれるかな、楽しんでくれるかな、と相手の事を考えます。誰かの事をそんな風にポジティブに思い浮かべながら過ごす時間は幸せですし、受け手側からするととても有り難く、そちらも幸せな気持ちになれます。企画者は相手が喜んでくれたらなおさら嬉しくなる事でしょう。

境界線

サプライズですから、企画者はもちろん受け手側に相談しません。何が好きなのか、どうされたら嬉しいのか、直接訊いたら意味がありません。それまでの付き合いの中でデータを収集し、その人の趣味嗜好を知る必要があります。

ただ単に自分が大好きなモノをあげるのは押し付けがましいことこの上なく、一方的になってしまいます。だからといって、相手が好きだけど自分が大嫌いなモノをプレゼントすべきかというと、そうではないと思います。それは逆の意味でまた一方的であり、心がないように思います。

同じような趣味を持つ人だったり、例えば水玉のものならなんでも好きというような、好みがはっきりしている人なら楽です。それ以外でのサプライズやプレゼントというのは、非常に難しいと感じます。

私の場合

昔、友人との間で誕生日サプライズが流行りました。連絡せずに誕生日当日に突撃訪問したり、ケーキやプレゼントを用意したり。その頃はみんな実家暮らしでしたし、突然来られて困る事もありませんでした。好みもお互い十分承知していましたし、何その驚かし方!と大いに笑って楽しんだ思い出があります。

性別は関係ありません。異性だろうと、センスが似ている友人や知人が行なうサプライズは楽しく、素直にありがとうと受け入れられました。

ところが。歳をとるにつれて環境も好みも変わってきます。20代半ばから一人暮らしをし、自分のペースが出来上がっているところに突撃訪問されるのは嫌でしたし、気に入ったものしか所持したくないところに、驚くセンスのモノをプレゼントされるのも困りました。頂いたものはなかなか捨てられませんし、かといって趣味でないものを使うかというと使いません。もちろん気持ちは嬉しかったですが、ドヤ感満載サプライズは疲れるなーと。

Husseとはそもそも色々な好みが違います。なので、彼から何度目かのサプライズを経験した後、こう伝えました。私はサプライズや相談なしのプレゼントは好きではない、と。

でもそんなの関係ねーHusse

奴さんはなかなか強者で、私が何度もそう言っているにも関わらず、めげずに何やら買ってきます。

移住後初めての誕生日には、何万もするダイヤとサファイアのピアスを。→趣味じゃないし高価過ぎる。

かと思えば、猫が座布団で丸まっている置物を。→可愛いけど困る。

アクセサリーが好きだといえば、マダムが着けていそうなステンドグラス風のペンダントを。→マダムになるにはまだ早い。

それがイヤだと言えば、北スウェーデン産の攻めたデザインのピアスを。→形がコワイ。

甘いものが苦手なのに、バレンタインにはお砂糖たっぷりのハート型グミの詰め合わせを。→Husseの大好物。

単身赴任中には突然の帰宅。→私は泥棒かと思って腰が抜ける。

他にもありますが、数え上げればきりがありませんが、毎回毎回よくもまぁ仕掛けるものだと、逆に感心します。私はその度にため息をこぼし、なぜサプライズやプレゼントが嫌なのか説明するのですが、Husseはなぜ喜んでくれないのか、と怒って悲しみます。

例えばバレンタインのプレゼント。HusseにはHusseの言い分がちゃんとあります。甘いものだけど、ハート型だから気持ちが伝わるかなって思った。だそうです。何故それを選んだのか、理由を聞いて相手の気持ちを優先する場合もありますが、それは稀です。

せっかくくれたプレゼントに喜べないのも悲しいです。私は器用じゃないので、好きなモノじゃないのに嬉しいとウソはつけません。突然帰って来たよサプライズなど、一人で留守番している身としては恐怖のなにものでもありません。

 

サプライズは相手ありきです。自分の気持ちも大切ですが、優先すべきは相手の気持ちです。週末の朝、起きたらおいしい朝食が用意されているとか、私はそういう事で十分なのですが、どうも彼はモノにこだわっています。いつになったら私の好みや喜ぶポイントをわかってくれるやら...。そういう人だから諦めたらいい、と言われることもありますが出来ません。一緒に買い物に言った時には、私の好みをこんこんと伝えています。貴様が次にサプライズしたくなったらこれを買うがいい、と。これはちがう、これはいい、と折りをみて指差し確認実施中。というのは冗談で(半分だけ)、実際は一緒に買いに行くのが私としては楽しくて嬉しいです。

そんなHusseが危うく

そんな奴さんがサプライズをされそうになりました。クックックッ。彼は家族だろうと大人数で集まったり、パーティーを開催されるのが嫌いです。

近々誕生日を迎えるHusse。私はHusseの性格を知っていたので、その日は全て彼の趣くがまま、どこかでゆっくり食事でもしようと考えていました。ところがHusse両親がサプライズパーティーを計画していたようです。Husseには黙っておいて何気なく呼び出し、大勢で盛大にお祝いしよう、と。

しかし、Husseの良き理解者である兄が連絡をくれました。両親がこんな計画をしているけど、イヤだよね?と。当日は私とティトとゆっくり過ごしたいし、そもそもサプライズパーティーは嫌だと伝え、皆にもその旨承知してもらうようお願いしていました。Husse曰く、お兄ちゃんグッジョブ。

 

喜ばせたい=喜んでくれる、ではありません。想ってくれる気持ちで十分です。サプライズやモノではなく、普段から言葉で伝えてくれるのがベストです。今回の誕生日サプライズの件で、私の気持ちも少しはわかってくれたのではないかと期待しています。

 

今さっきHusseが私の元にやってきて、何を書いてるの?と訊ねてきました。サプライズに対する我々の価値観の違いについて、と正直に内容を伝えました。ざっと説明し、これであなたも私の気持ちをわかってくれるかも、という感想で締めるつもりだと言いました。すると奴、わかるかもしれないしわからないかもしれない、ぐふふ。と気持ち悪い笑いを残して部屋を去りました。

 

あいつ...。次回、また奴さんがやらかした際にはご報告したいと思います。

 

読んで下さりありがとうございます。