カワイーヌ・ティトの北欧生活

北欧で暮らすハバニーズ、ティトと飼い主Matte&Husseの日常

陽気な迷子犬

昔、日本でアルバイトをしていた時のこと。あるバイトの日、最寄り駅についた時にはまだ勤務時間まで余裕があり、ちょっとブラブラデパートなどを見て回っていました。

その日は平日の夕方でかなりの人混み。そんな中、大声で泣く5歳くらいの女の子がめにとまりました。人々は足早に通り過ぎ、保護者らしき人は見当たりません。これは迷子だと思い、女の子に話しかけました。どうしたの?誰と一緒に来たの?と。

すると女の子はおかーさーんと泣きながら連呼しました。

お母さんはお買い物してるの?などと訊ねながら、じゃあ一緒に探そうね、と手をつないで迷子センターに向かおうとしたところ...。

お母さんらしき女性が血相を変えて私達の方に向かってきました。それに気付いた女の子は、またもやおかーさーんと泣きながら叫び、お母さんの元に走って行きました。

あぁよかったーと思いつつ、一応ご挨拶をしようと思った矢先。

そのお母さんは私をキッと睨みつけ、女の子の手を引いて何も言わずに去って行きました。

その時の私のバイトはベビーシッター。私は一応幼稚園教諭免許と保育士資格があり、幼稚園での勤務経験も数年あります。ただ、そんな事をお母さんが知る術もなく。どこぞの変な女が愛娘を連れ去ったとでも思ったのでしょうか。怪しまれるほどの風貌ではありませんでしたが、今の時代は一見普通な人がとんでもないことをしでかすので、お母さんの反応もわからなくもない。とはいえ私はイラっとしたのと同時に、結構ショックだったのを覚えています。

私自身は迷子になったことはありませんが、もし自分の大切な存在がちょっと目を離した隙にいなくなってしまったら...。恐ろしい。

 

私にとっての大切な存在=ティト。

もしお散歩中にリードが切れてティトが森に走り去り、迷子になっちゃったら...と考えると胸がざわざわします。私がぼーっとしている間にリードを放してしまい、ティトが道路に飛び出して...って想像を度々してはブルブル震えます。そんな確率はほぼ0に等しいのですが、何があるかわからないって事だけはいつも心に留めておこうと思っています。

犬を飼っている方は誰もがそうだと思っていたのですが、そうでもない人も中にはいるようです。

私達がティトと暮らし始めてもうすぐ4年。その間、散歩中にノーリードの迷子犬に出くわした事が数回あります。2、3度ではありません。確実にもう10回以上。

一度保護して家に連れてきたこともあります。

kawaiiinu-tito.hatenablog.com

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はい、そうです。Husseがまたもや迷子犬と遭遇しました。

今週頭、アパートが建ち並ぶ地区で仕事があり、Husseは車でそこに向かいました。用事がある建物の前に着くと、そこには中型犬がノーリードで地面に背中をこすりつけ、うねうねしていたそうです。

Husseが車から降りると犬は近寄ってきて、遊ぼう!と誘ってきました。恐らくまだ子どもで、Husseに近寄ってはぴょんぴょん跳ねながら離れ、その辺を走り回っていたそうです。一応仕事中のHusse。飼い主はきっと近くにいるだろうと思い、仕事にとりかかりました。数分で仕事を終え車に戻ると、そこにまたさっきの犬が笑顔でやって来ました。

これは...迷子だ。近くには車の往来が激しい道路があります。もしそちらに走って行ったら大変だと思い、Husseは犬の首輪を掴んで逃げないようにしました。困ったHusse。

その時、近くの一軒家のガレージが開きました。もしや飼い主?と話しかけるもそうではなく。残念でしたが、男性に頼んでリード代わりになる紐をもらいました。またまた困ったHusseですが、そこに学生が通りかかりました。自分は仕事で急いでいるから、代わりにこの犬を警察に保護してもえるよう取り計らってくれないか、と。感じの良い学生はまかせて!と受け合ってくれて、約束通り警察に知らせて彼らが来るまでそこで待機しててくれたようです。その後警察のFBで飼い主は見つかった事を私達は知りました。よかったよかった。

その犬がこちら。

うねうね楽しかった!

 

かっわい。Finsk Lapphund(フィンスクラップフンド)という犬種です。元々はサーミの人々と共に暮らし、トナカイの放牧をまとめる仕事をしていたんだとか。狩猟犬としても優れているそうです。

 

お家に戻れてよかったけれど。

気をつけていてもちょっとした隙に脱走してしまうことはあるかもしれません。でもこれだけ多くの迷子犬に出くわすということは、犬の安全を怠っている飼い主がけっこういる、という証拠なのでは。ティトと暮らす前にも一度保護した犬がおり、飼い主の自宅まで連れて行きましたが、あらどこ行ってたのー?と飼い主はヘラヘラしていて驚いたことがあります。確か、連れてきてくれてサンキュー☆って軽く言っていたな...。

 

しかし我々はなぜこんなに野放しの犬に遭遇するのか...。私達にとってはすでに犬あるあるになりつつありますが、周りの人からはそんな話聞いたことがありません。why?

元々Husseは犬が怖くて小型犬でさえもどう接していいのかわからずにいました。それを私が大丈夫大丈夫と洗脳し、実際にティトが大変身させてくれました。帰宅したHusseはティトに、君のお陰で迷子犬を救えたよーとお礼を言っていました。

犬達の役に立てて何よりですが、その家族達にはもう少し暮らし方を考えて頂きたいものです。犬達が安全に暮らせますように...。