玉巻き器まきまき!
前回の記事でもご紹介しましたが、先日私はスウェーデンの毛糸ブランドのullcentrum(ウールセントルム)から毛糸を買いました。編み物や縫い物をする方はご存知かもしれませんが、毛糸やしつけ糸などは”かせ”という状態で売られている場合があります。私が買った糸もそうでした。
”かせ糸”とは、一般的な毛糸玉ではなく、大きな輪っか状の毛糸をぐるぐるねじった状態の糸のことです。
この状態で編み物は出来ず、まずは毛糸玉に巻き直す作業をしなければなりません。その為には、”かせくり機”と”いとまき器”が必要です。
かせ糸のねじりをほぐし、大きな輪っか状にしてから”かせくり機”に毛糸をはめ、”いとまき機”に糸を巻いていきます。
でも我が家にはかせくり機がありません。何かで代用しなければ。家にあるもので何か...。
ベッドサイドに置いていたちょっとしたテーブル。丸いプレートはただ乗せてあるだけなので簡単に外せます。外した後、この足部分に毛糸をはめるのはいかがだろう...?
かせ糸の方がちょっと大きかったので、足に布を巻いて地面にずり落ちないようにしました。かせくり機のようにくるくる廻ってくれませんが、十分です。
次はまきとり器。これは日本から持ってきていました。
さぁいくよ!
赤玉巻き器まきまき青玉巻き器まきまき黄玉巻き器まきまき!
っていうか買ったのは昭和時代?ずいぶん物持ち良くない?って思われた方。違います。これを買ったのはおよそ8年前。こちらのまきまきは長年変わらないパッケージと商品で親しまれてきました(製造元のロイヤルは私が購入して数年後に廃業)。なんかもう全てが昭和で懐かしいあの頃を思い出す...。
とノスタル爺に化けてる場合ではなく、箱からまきまきを取り出して台に装着!そして糸を巻く!
今回5束のかせ糸を購入したので、5玉巻きました。
ここまで来てちょっと疑問を持った方、いらっしゃるのではないでしょうか。なぜ最初から玉にして売らないのか、と。
例えば生成りの糸。購入後にご自分で染める方がいらっしゃいます。そういった場合、かせ糸だと染めやすく乾かしやすいというメリットがあります。私が買ったような既に染めてある糸の場合は、重さごとに糸を分けて巻けるので、誰かと分けて使いやすい。でも一番は販売する側が楽という理由なのでは?と私は思っています。どうだろ。違うかしら。
どちらにせよ、私にとっては毛糸玉よりもまきまきで巻いた方が使いやすいので問題はないです。
今回、私は白い毛糸を2種類買いました。
どちらも6/2(太さ6番手の双糸)ですが、左がS撚りで右がZ撚りです。SとかZって何かというと...。
《S撚り=時計回りに撚った糸》
一般的な毛糸や手縫い糸など
《Z撚り=反時計回りに撚った糸》
ミシン糸や特殊な毛糸など
なぜ私はこの2種類を買ったのか。
この前Husse用にミトンを編みましたが、そのときにスウェーデンに古くから伝わるtvåändsstickning(トヴォーエンズスティックニング)という技法を用いました。
kawaiiinu-tito.hatenablog.com練習も兼ねていたので、家にあるS撚りの毛糸で編みました。しかし、本来この技法はZ撚りの毛糸で編んだ方が良いとされています。なので次は伝統に則り、Z撚りの糸で編もうと思い購入しました。
実際編んでみるとその違いは明らか。tvåändsstickningは2本の糸を交差させながら編んでいきますが、Z撚りの糸だと絡まりづらく、編み目もとても綺麗に仕上がります。先人の知恵ったらすごい。感動します。もうすでにいくつかミトンは編み上がっていますので、そちらはまた後日アップしたいと思います。
前回のウール然り、毛糸にも色々あるんですね...。編み物をしなければ私も知ることはなかったでしょう。まだまだ世界には様々な技法や編み物の歴史があります。これからも少しずつ知識を増やし、挑戦していきたいです。
因みにまきまきの早口言葉、皆さんは言えましたか?
私は無理でした。きたまにまきまにまにってなんだそれ。