カワイーヌ・ティトの北欧生活

北欧で暮らすハバニーズ、ティトと飼い主Matte&Husseの日常

親友の気配が消えてしまった。

スウェーデンでは夏至祭以降、4週間程度夏期休暇をとるのが一般的です。休暇を分散させる人、私達のように時期をずらす人などもおりますが、特にファミリー層はだいたいその時期に休む事が多いようです。

ティトのガールフレンドであり、大親友でもあるホップ。ジャーマン・ショートへアード・ポインターという犬種の大型犬です。

kawaiiinu-tito.hatenablog.com最近、ホップ達を見かけないなーと思っていました。ちょうど夏期休暇の時期だし、ご家族でどこかに行ってらっしゃるのかしらー?と。

ところが先日、ご近所のおばあちゃんから悲しいニュースを耳にしました。夏至祭の頃、ホップが亡くなったと。

 

原因は脾臓の悪性腫瘍だそうです。中〜大型犬がなりやすい病気らしいのですが、初期症状はあまりみられず、末期になって急に体調が悪くなったりして発見されることが多いとの事。8歳を過ぎたら定期検診を行い、腫瘍が小さいうちに除去手術を行なうのが対策とされているようです。

恐らくホップの場合は発見が遅かったのでしょう。道で会った時の立ち話でも病気の話など皆無でした。実際とても元気そうでしたし、いつもと同じく彼らは散歩を楽しんでいました。

悪性腫瘍が大きくなると脾臓は全摘されますが、予後は厳しく、その後の生存率はとても低いそうです。スウェーデンでは犬の安楽死は一般的です。望みが薄い手術や治療を続けるのは虐待とみなされ、獣医は診察をしてくれなくなり、投薬も中止されます。犬としての尊厳を維持したまま安らかに眠らせてあげよう、という考え方のようです。私個人としては、それも一理あるなと。ただ、一筋縄ではいかない色々な想いが湧き出てしまい、実際にその時になったらその選択ができるかどうか、それが愛犬にとってふさわしいかどうか...決断できる自信がありません。命あるもの必ず終わりが訪れるのは重々承知しており、犬と暮らそうと思った時から覚悟はしています。その時のために、後悔しないようベストを尽くそうと常に考えています。でもそれでもきっと後悔はするでしょうし、別れは名残惜しく、恐らく私の人生で最も悩む決断となる事でしょう。

ホップの家族が選んだ安楽死は、ホップを想えばこそのこと。私が普段彼らと接していている中でも、ホップへの愛情を溢れるほど感じていました。人の感情や決断に至るまでの過程など、こういった繊細な事柄は外野がとやかく言うものではありません。ホップが愛されていて幸せそうだった、それで十分です。

 

私とHusseは冒頭でも申し上げた通り、近所のおばあちゃんからホップの件を聞きました。ご家族から直接訊いていません。

昨日、お昼の散歩中にホップの飼い主であるアンナにバッタリ会いました。今日は寒いねー、もうすぐ雨も降りそうね!などと天気の話をしただけです。アンナが自転車だったこともあり、すぐに別れました。

人によって悲しみの癒し方はそれぞれです。アンナはホップにまつわる事柄を話すのも辛いかもしれません。人に話したり文章にして書くことは、もう一度その事柄に向き合い、思い出して気持ちを確認する必要があり、とても辛いと感じる人もいます。なので私から何か言う事は憚られ...。

でもきっかけがないと話せない人もいます。ホップのこと聞いたよ、とこちらが訊ねることによって気持ちを吐露して楽になれる人もいることでしょう。私がどういったタイプなのかはどうでもよく、アンナはどうして欲しいのかが大事な事。でも私はアンナではないので当然答えはわからず、ただただ慮るのみ...。

 

夏至祭後の2週間程、ティトは朝の散歩で家に帰る時、家のちょっと前で伏せて動かなくなっていました。最近どうしたんだ?まだ帰りたくないのかな?と不思議に思っていましたが、ホップの事を聞いて理由がわかった気がしました。

散歩でホップの家の前を通るときはチラチラみたり、ホップ出てこないかなーと座り込む事が以前からありました。でもここ最近は恐らくホップの匂いが消えて、不思議に思っていたのでしょう。昨日アンナと道ですれ違ったときも、あれ?ホップは?と彼女達が来た道をクンクン辿ってホップの気配を探していました。キョロキョロ辺りを探す仕草に、思わず私も涙がこぼれました。とっても大好きな大親友。悲しいね...。

ホップがヒートの時にはティトはホップの事ばかり考えていました。

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それはそれで大変でしたが、大好きだからこその反応であり、ホップとのとても印象的なエピソードとして心に残ります。

思い出すと涙がこぼれますが、ホップとの楽しかった時間を忘れずに、大切に、いつでも取り出せるよう、心に留めていようと思います。ティトはホップに会えない事をずっと不思議に思っているでしょうが、ティトの心の中でも同じくホップは生きているはず。いつか会えた時、また楽しく遊べるといいね...。

 

とても頭が良くて優しくて楽しくて、大切な友達。ありがとうと伝えたいです。