レインコートを作るっ!
私は日本でパターンナーとして働いていました。パターンナーとは、デザイナーが描いた絵や指示を元に、実際に人が着られる大きさの型紙を制作する仕事です。昔は定規とペンで引いていましたが、現在では大部分がパターン設計ソフトを利用して、ほぼPC作業で進められています。消しゴムで消す必要もありませんし、カッターで切ったりテープで貼る作業もなくなりました。データもポチっと押せば工場に送信できますし、便利なことこの上なし。
現在はクラウドサービスなるものがありますので、スウェーデンにいる私でも、昔から慣れ親しんだCADソフトを使用することができます。作りたい服の型紙を自由にいつでも作れる!
....のですが、残念ながらそれを実寸で紙にプリントして出力する方法がここにはありません。正確には、方法はあるのですが面倒&コストがかかり過ぎて無理。
なので、結局自分で作りたい場合は、実際の大きさを定規とペンで紙に書いていくしかありません。便利さに慣れるって危険です。何かを作りたくなっても、色々考えると面倒だな...と思ってしまい、腰がどんどん重たくなります。
でもティトの為なら
そう、ティトの為なら重い腰が軽くなる!
今ティトはレインコートを2着持っていますが、一枚は穴があいて使い物にならなくなってしまいました。防水の生地が家にあるので、せっかくですから作る事に。
縫い目から水が入らないよう、レインコートには裏からアイロンでテープを貼ります。日本ではそのシームテープが数十m単位で簡単に手に入ります。しかしここスウェーデン。ネットで唯一見つけたのは5mのみ。日本での単価を知っているが故、なかなか踏み出せないお値段。水が入ってきたり破れたらまた作り直せばいいや、と開き直って、シームテープはなしで進めました。
型紙を引く→試し縫い→型紙修正→生地を裁断→縫製
そして完成しました。
上品な光沢の生地。本当は自分のブルゾンでも作ろうかと思っていたのですが、どうしてもティト優先になってしまいます。家にある材料で作ったので、ファスナーは何故かゴールド。再帰反射テープのシルバーと主張し合ってしまいました。なんか強そう...。
でも反射テープは暗い散歩には必須です。ライトに当たると驚く程光るので、ティトの存在を自転車や車の運転手に知らせる事が出来ます。安全第一。
ウエストと首回りはゴムを入れたのでサイズが調節できます。中にインナーを着る場合はゴムは絞らず、一枚で着る時には絞り、なるべく歩きづらくないようになっています。
昔購入して家にあるもう一枚のレインコートを参考にしましたが、袖の付け位置やお腹の開き具合など、サイズは全てティトに合わせました。
これで体にまとわりつく雪玉が防げます。これから同じものを違う生地でもう一枚作成予定。破れようが、穴があこうが、これからもどんどん走り回ってお散歩を楽しんでもらいたいと思います。