寒いよ!
スカートの下には色々重ね着をし、−20℃まで耐えられるスノーブーツを履いて、現地でHusseが用意してくれていたジャケットを着込み、極寒の屋外を歩き回りました。ちょうど私が行った時には寒波が来ており、−20℃を超えていました。が、このワンピースはとても暖かく、役に立ってくれました。
思い出は消えない
冬のスウェーデンはとても美しく、生活は大変ですが旅にはお勧めです。その時の私も、有意義に旅をする事が出来ました。楽しい気分でさぁ帰国、と言いたいところでしたが、旅は続きます。現地の空港からストックホルム経由で北京に行き、そこで乗り換え上海に。旅からの出張です。そこで1週間程仕事をしてようやく日本に帰った訳ですが、驚いた事に北極圏よりも寒いと感じた上海。訪問先ではほとんど暖房が効いておらず、本当に防寒対策をしっかりしていて良かったと感じました。帰国後もすぐには家に帰れず、その時の出張はハプニングだらけだったのですが、着回し続けたこのワンピース。思い出深い...。
ところが悲しいかな、今の私の年齢では丈が短く、似合わなくなってきました。おまけに、寒さに慣れて体感温度も変わった為、家の中で着るには暑くて着る機会がなくなりました。
私はこの他にも、洋服には色々と思い出が多く、なかなか処分できずにいます。ぼろぼろになったシャツも、ちまちまほころびを直しながら来ています。それもまた楽しく、更に思い出が増えていくのですが、洋服に限らず出来る事ならモノは大切に長く使いたいと思っているので、まぁ仕方がない、と割り切っています。流行に敏感でお洒落な知人には、まだそれ着てるの?と言われる事がありますが、はい、好きなので着ている。と答えるのみ。その辺も色々割り切っています。
このワンピースも然り。北極圏を想いながら探して見つけ、初めてここに来た時に着た服。なので、似合わなくなって着なくなっても手元に置いていました。
トランスフォーム!
幸いニットはほどけます。例えば穴が空いていたとしても、100%天然素材なら糸同士は簡単に接合できます。ということで、ワンピースをほどいて生まれ変わらせることにしました。
インスタント麺みたいな状態では糸としてダメなので、ほどいて束にした後はぬるま湯に浸けてちりちりを正します。そして完全に乾かしたら、玉にして終了。家事の合間にせっせと作業し、結局全て終えるのに1週間弱かかりました。
そして何を編んだかというと、こちらです。
そう、ティトのセーターです。編んでいる時は楽しいし、思い出は更に増えるし、嬉しさは倍増です。
ティト用セーターはこれで3着目ですが、以前記事にしたこれまでの2着を踏み台に、グッと理想に近づきました。
2本取りで編んだ為、色の見え方がだいぶ変わりました。ティトの毛色と同じになるかと思ったのですが、ちょっと残念です。でも、首からお腹にかけてゆとりを入れているので、カーブが出て体によりフィット出来たのは良かったです。
ところがティトは何か言いたそうです。
ちょっと聞いてみました。このセーター、どう?って。
以下、ティト氏曰く。
まずね、色がおじいちゃんだね。バスケット柄もなんかおじいちゃんだね。ループタイとかしたくなっちゃうね。サイズはぴったりだし、明きがあるから着やすいんだけど、前立てのボタンの数、多過ぎるね。もう少し大きいボタンを3つ程度で良くない?あと、もうちょっと袖長くてもいいかな。以上。はい、おやつちょうだい。
だそうです。
ティトの意見はごもっとも。次回に生かしたいです。
残したいもの
同じものでもこうして形を変えて残っていくモノ達。お金を払えば新しいものが楽に手に入りますが、 そういうことではありません。残していきたいから、買う時にはよく考えて納得したものを買いたいと思っています。ところが、ここで生活するようになって、必要とする洋服は180°変わりました。とりあえずで買う事も増えました。そして結局どうでもよくなり、リサイクルに出す頻度も増えました。それに気付いたとき少し悲しくなりました。そもそもここには私が好む服が売っていない、でも何か新しいものが欲しくて妥協して買う、そしてどうでもよくなる、というサイクル。気分転換は必要なのでこれからもここで洋服は買うと思いますが、なるべく物質的にも気持ち的にも、無駄にならないものを選びたいと、前回の衣替えで改めて感じました。
洋服に限らず、誰でも思い出の品はあると思います。
心が空っぽになるようなら断捨離はしなくて良いと思いますし、落ち着くならばモノに囲まれて暮らすのも良いと思います。自分に合った暮らしをしていきたいものです。
因みに、ループタイと言えば。
古着にハマっていた高校時代の私は、パンタロンにハイソールのスニーカー、ピタピタでシナシナのポロシャツにループタイという出で立ちで通学していました。若さって...恐ろしくも素晴らしく笑える。