私は昔から怖がりのくせに怪談話の類は好きで、聞いては毎度後悔しています。
昔、稲川淳二の怪談ライブに行ったことがあります。心霊写真の紹介などは非常に怖く、ゾワッと立った鳥肌がなかなか消えませんでした。ただそれよりも驚いたのは、観客が稲川淳二のことを稲川ちゃーん!と呼ぶこと。そして稲川ちゃんの滑舌が想像以上にアレだったこと。内容は半分も頭に入ってきませんでしたが、生のこわいなーこわいなーが聞けて嬉しく、結果とても楽しくてまた行きたいと思ったのを覚えています。
怖いと思うものの違い
Husseも怖い話が好きです。日本のホラー映画も大好きですし、たまに私が真似をする貞子にもげらげら笑って反応します。日本の幽霊やポルターガイスト的なモノは全く怖くないらしいです。彼が怖いのはゾンビ。最初聞いたときは、冗談でしょ、と思いましたが、どうやら本気みたいです。っていうかゾンビの概念って?Husseによると、お墓の中から這い出て来て、超高速で走り、人々を食らう、だそうです。ウォーキングデッドの見過ぎですし、何よりも超高速って笑えます。
私は逆に、ゾンビなど全く怖くなく。スウェーデンのお墓へ行っても何も感じません。日本のジメっとしたあの恨めしい感じがたまらなく怖く、Husseとは真逆です。
先日、天気の良い日にHusseからどこか行きたい所ある?と訊かれました。ティトも一緒に行ける場所となると悩みます。どこか歴史のあるお屋敷とか、素敵な民家の建物があれば見てみたいけど...と呟いたところ、Husseが閃きました。心霊廃墟に行こう!と。
廃墟のサナトリウム
Husseによると、その建物は1800年代からあったそうですが、1900年になって間もなく、サナトリウムとして改築されたそうです。それから60年代までは結核患者の為の療養所として、その後は精神障害があるお年寄りの為の施設になり、2000年頃に完全に廃墟となった模様。そしてここは、でる、と有名で、以前スウェーデンのテレビでも紹介されたようです。
両脇を森に囲まれ、修繕されていないガタガタなアスファルトの道を車で進みます。最後に民家を見てから40分、廃墟に到着しました。
確かに歴史はあるかもしれないけれど、私が見たかった建物はこういうのじゃない...。と言っても時既に遅し。ティトは車から降りたら、建物とは反対方向に走り出しました。何か感じた…?いや、ただ単に日向の草むらで用を足したかっただけ。たぶん。
割られた窓ガラスに木の板が打ち付けられていたり、肝試しに荒らされた形跡がありました。ここはちょっとした丘の上に建っており、サナトリウムだっただけあって空気は澄んでいる感じがしました。ただ、建物に近づいた時の寒さがやばかったのですが...。日陰だから?気のせいってことにします。
Husseはなんだかはしゃいでいました。正面玄関に立って!とお願いされて、写真を撮られました。
怖がっているのをHusseにバレると、とてもからかわれそうなので我慢です。普段どれだけ私がHusseのことをからかっているか、こういう時にわかります。自業自得。
2000年以降、ここの所有者は何人かかわり、噂によると今はインド人の所有物らしいです。無断で入ったら警察呼ぶからな!と入口のドアに貼られていました。怖いもの見たさで入りたがる人々は未だにいるようです。
少し長くなりそうなので、ここの噂などのお話はまた後日。
因みに、訪れた日の夜。私は怖くて眠れず、電気をつけて寝ました。それがHusseにバレて散々笑われたのは言うまでもなく。うぐぐぐ....!