カワイーヌ・ティトの北欧生活

北欧で暮らすハバニーズ、ティトと飼い主Matte&Husseの日常

スウェーデン流、犬との暮らし方

ブリーダーが飼い主をチェック

私達は隣町のブリーダーからティトを迎えました。

そのブリーダーはSKK(スウェーデンケンネルクラブ)のHPから、北スウェーデン&ハバニーズという条件で探しました。なるべく家に近い場所から順番に連絡をし、現在家族募集の仔犬がいるか、いなければ繁殖計画はあるかどうか訊ねました。

私達がティトをお世話してくれたブリーダーに初めて連絡をしたのが2017年の3月。秋に繁殖を考えているとの事で、生まれた仔犬を迎える”予約”をしました。しかし、その前にブリーダーからのチェックが入ります。飼い主として大丈夫かどうか。訊ねられたのは主に次の通りです。

  • 住まいについて
  • 家の周りの環境
  • 家族構成
  • 仕事スタイル
  • 生活スタイル

住まいや環境についてというのは、街か田舎か、アパートか一軒家か、そして間取りについてなどです。犬にとってストレスがなるべく少ないのがもちろんベストです。家族構成は、例えば単身者だった場合、何かあった場合に面倒を見てくれる人がいるのかどうかなど聞かれます。

仕事や生活スタイルについてというのは、仕事が忙しくて犬を長時間留守番させてしまうのではないか、散歩はさせられるのか、どういう目的でこの犬種を選んだのかなど、聞かれます。

もちろんブリーダーによって様々ですが、厳しいところでは飼い主失格とみなしたり、条件が合わないからと断る場合もあるようです。ハバニーズは主役でいたい犬なので、いつも構ってあげる人がいた方が良いみたいです。そういう意味で、私はずっと家にいますし近所に自然は沢山ありますし、すんなり受け入れてもらえました。

動物愛護法

犬にも犬として生きる権利を、というのがスウェーデン流。ペットではなく家族なので、次の事に違反した場合は虐待で罰せられます。

  • 留守番は一日最長で6時間(成犬の場合)
  • 一日に数回散歩に行く(年齢や天候にもよる)
  • 必ず毎日、人もしくは犬同士で接する機会を与え、社会性を養う
  • 屋内でリードに繋げたり、ケージの中に入れたままにしてはいけない(仔犬の時期はOK。体調にもよる)
  • 屋外でケージに入れていいのは2時間まで。 などなど

上記は一部です。その他にも運搬時の条件や狩猟時期での森でのルールなど、本当に沢山あります。

留守番は一日MAX6時間って、外で仕事をしている人はどうしたらいいの?と不思議に思うでしょう。会社が近い人はお昼に帰って来て犬を散歩に連れて行きます。帰って来られない人は、朝から犬の為の保育園に預けたり、ドッグシッターを雇います。うちの子は10時間もお留守番出来るよ、などと自慢する人はどこにもいません。そんな事をしたら捕まります。

ティトの場合

仔犬の頃は室内に囲いを作り、夜寝るときはそこで寝させていました。トイレの訓練や、安心する場所を覚えてもらうためにそうしていました。飼い主初心者だった私達がブリーダーに指導してもらった方法です。しかし昼間は開放し、自由に行動させていました。成犬になった今、囲いを撤去した代わりにケージを置いていますが、滅多にそこには入らず好きなように過ごしています。

散歩は一日3回。朝は20分、昼は40〜50分、両方とも私が行きます。夜はHusseと40〜50分。今の時期は雪もすっかりなくなり、森の中や裏庭でボール遊びができるので、気付くと1時間くらい経ってる場合もありますが、ティトはお散歩が大好きなので毎度とっても嬉しそうです。犬友達や可愛がってくれる近所のおばあちゃん達に会えたときはなおさら。真冬の寒さもおかまいなしですが、雨は嫌いなのであからさまに不機嫌になります。そんな時は排便だけしてそそくさと家に帰ろうとします。

散歩後はぐっすり昼寝をします。1時間半くらい寝たら一度起き、私に遊んでとねだってきます。家の中で追いかけっこをしたり、おやつ探しなどをして20〜30分遊ぶとまた昼寝。筋肉も発達するし、快食快便でとても健康に育ってくれています。

私の靴下を持ち逃げしたティト。かわい。

日本とは違って当然

環境も人口密度も違うので、日本とは色々な価値観が違って当然です。日本の住宅密集地では排泄の度に水で流さねばならなかったり、気をつける部分も違うでしょう。ただし、小型犬だから散歩の必要はないとか、仕事上留守番を長くさせてしまうなどは、犬にとって辛い事この上ないと思うのです。スウェーデンではルールを守れないと分かっている人は最初から飼いません。その為、犬を飼う人の割合は随分低いです。しかしこれだけ厳しくても実際は悲しいかな虐待は起こっています。フンを道端に放置している人も沢山います。森の中だからいいでしょ、と思っているようですが、実際その森の中で私は何度も踏んでいます。クッ!

どちらの国の方がいいかという話ではなく、動物と暮らすという事の責任を、飼い主&家族として誰もが持つべきだと思います。私にとっては身近なティトが、毎日幸せだと思ってくれるように。当たり前ではないと言う事を忘れずに...。